次世代へ住み継ぐ「実家リノベ」のコツは回遊性!スムーズな家事動線・空間の有効活用を設計段階からプランニング。

みなさんこんにちは、トット建築です。前回に引き続き、「実家リノベーション」の事例をご紹介いたします。
目次
概要
設計/株式会社トット建築
施工/株式会社トット建築
施工エリア/静岡県浜松市
木造2階建て・築40年のお家を、親世帯・子世帯の二世帯住宅へリノベーション。生まれ育った実家をリノベーションする文字通り「実家リノベ」によって、2世帯が暮らす新しい住まいとなりました。
ぜひ前編からご覧ください!
07.リビングの雰囲気に合わせて作った、ユニバーサルデザインな造作扉
この空間に合わせて造作で作ったオリジナルの扉です!
木をぜいたくに使ったこちらのリビング空間に合わせて、オリジナルの扉も製作しています。
まるで障子がはまっているような、和の雰囲気を演出しています。夜になると、少しぼやっとした優しい光が漂います。
「ポリカーボネート」という素材を使っており、ガラスに比べて強度があります。お子様がぶつかっても割れたり壊れたりする心配がありません。
でもよく見るとこの扉、取っ手がありませんよね…
取っ手の代わりに溝が掘ってあります
こちらの扉は金物を使った取っ手がない代わりに、溝を掘り込んであります。大人でも子供でも、自分の開けやすい高さ・体勢で扉を開けられる、ユニバーサルなデザインです。
08.木のぬくもり・温かみに包まれる寝室
天竜杉の無垢板を使った、温かみのある寝室です。
朝布団から起き上がって、その日の最初の一歩を優しく受け止めてくれる…、「杉の板」はやわらかい木材であるため、踏んだ時に足先に優しい温かみを感じられます。
杉の温かみを感じながら、気持ち良い朝を迎えられる寝室になりました。
施工前
施工後
寝室の壁面には漆喰(しっくい)塗りを採用しています。こちらは別の記事で詳しく紹介していますので、興味のある方はぜひチェックしてください!
漆喰の良いところは、壁が呼吸できるということです。室内の水分を、自動的に壁が吸収・放出してくれるため、一年中過ごしやすい快適な湿度が保たれます。
職人の手仕事による見事な「漆喰(しっくい)塗り」です
夜の雰囲気がとても良いです
ウォークインクローゼットは、外から少し見えにくくなるよう工夫しています。棚や受けを増設できるので、実際に暮らし始めてから必要に応じてフレキシブルに収納量を調節できます。
次の100年を、安心・安全・快適に暮らしていくための耐震補強と断熱補強
施工中...寝室の窓際のそで壁は耐震のために追加したもの
施工後
長く住み継いでいくためには「安心・安全」と「快適性」が必要不可欠です。
今回の施工では、「耐震補強」のためにそで壁を追加。また「断熱補強」により「夏熱く・冬寒い」といった問題を解決しています。
リノベーションとは、単に間取りを変えたり綺麗に補修することではなく、こういった暮らしの問題そのものに焦点を当て、改善していくことにあると私たちは考えます。
耐震補強で追加したそで壁の裏には、かわいらしいデスクスペースを製作しました。
09.ただの通路じゃ空間がもったいない!廊下に設けた洗面・収納スペース!
施工前 トイレ・浴室へ続くだけの通路だったのが…
施工後…収納スペース+洗面スペースに!
“通路としてだけ”の廊下は空間的にも動線的にも非常に無駄でもったいない!トット建築は住まい全体の空間を有効的に活用できる動線設計を心がけております。
10.使えるものは捨てずに活用!清潔感のある漆喰塗りのトイレスペース
寝室と同様、壁面には漆喰(しっくい)塗りを採用。湿度調整はもちろん、嫌な臭いを吸ってくれる消臭効果もあります。
施工前の様子…施工前に便器を取り外して綺麗にクリーニングして保管。
今回、施工前から使用されていたトイレの便器は綺麗にクリーニング後、そのまま活用しています。まだまだ使えるものでしたので、捨ててしまうのはもったいない。「使えるものは使っていく」ということの積み重ねは、環境面への配慮はもちろん、トータルで見た時の施工コスト面においても非常に重要な要素です。
トット建築のトイレには標準で小物置き用のトレーが付いています。ポケットの中の鍵・スマートフォン・財布等を、一時的に置いておくためのものです。今回は濃い色合いの木材に、アイアンのペーパーホルダーの組み合わせを提案させていただきました!
11.事前調査時に大問題が発覚!?浴室スペース
脱衣室
浴室スペース
実はこちらの浴室スペース、設計段階に入る前から大きな問題を抱えていることが分かっていました。現況調査のため施工前に床下に潜ったところ、材木の劣化(手で触っただけでボロボロに)や、ひどい水の漏れ・浸食が見つかったのです。
「そんなこと、施工前にわからなくてもいいんじゃない?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、工事が始まってから問題が見つかった場合、追加工事、つまり追加費用が必要になってしまいます。そうなれば想定外の費用が増えてしまうのはもちろん、工期も延期になる確率が高いです。そして工事が長引けばそれだけさらに費用がかかります…

トット建築の強みのひとつが、住宅医である私が責任を持ち、徹底した事前調査を行うことです
私たちが徹底した事前調査を行うのは住まい手の方の安心・安全確保はもちろんのこと、正確な施工内容・予算の見積りを行いお客様に安心して工事をお任せいただくためでもあります。
今回は腐った木材は全て撤去・取り換えました。断熱の工事もさせていただき、シンプルかつ快適な浴室にリノベーションすることができました。
12.今の時代の標準!?屋内ランドリースペース
共働き世帯が増えたこと、また花粉症でお困りの方が増えたことで需要が増している「屋内ランドリー」。天候・季節に左右されずに洗濯ができ、洗ったものをすぐ干せるというのは嬉しいポイントです。

こちらの柱は、元々あったものを整えてそのまま残しています。
屋内ランドリーにある一本の柱。
今回の事例では、これまで柱は出てきませんでした。こちらは前の住まいの時からあったものをそのまま残しています。実家リノベにおいて「昔の思い出」や「住まいへの思い入れ」を感じられることは醍醐味のひとつと言えます。トット建築のリノベーションではこういった想いや歴史をどのようにして残していくか、次の世代へ受け継いでいくかを様々な観点から提案させていただきます!
13.快適な住まいの秘訣は回遊性と家事動線にある!
キッチンから水回り、洗面を通って寝室、扉を開けてリビングからキッチンへ…家中がぐるっと8の字に移動できます。
トット建築では、家中をぐるっと8の字を描くように行ったり来たりできる…そんな行き止まりがない住まい作りを心掛けています。家の中のアクセス性が良いことは、ストレスのない暮らしを実現するにあたって非常に重要な要素です!
まとめ:トットの強みは「住み継ぐことに特化したリノベーション」にあります。

今回は弊社が得意とする「実家リノベ」のご紹介でした。生まれ育った住まいを歴史や想いとともに住み継ぐ…そしてまた次の世代へ。トットにとっての「実家リノベ」はまさに家族の歴史と想いの橋渡しです。
最後までご覧いただきありがとうございました。実家リノベの実例紹介後編はいかがでしたでしょうか?
今回のリノベーション事例は「実家リノベ」としてご紹介してきましたが、それは「中古の住宅リノベ」とは明確な違いがあるからです。
実家リノベにはそこで暮らしてきた思い出や歴史、次世代へ引き継いでいくものを大切にしていきたいというお客様の想いがあります。そんなお客様の想いをいかに汲み取り、どのようにして残していくのか…そんな試行錯誤こそが実家リノベーションの本質的な価値なのではないかと考えます。もちろん、「想い」だけでは安心・安全・快適にこれからの長い時間を住み継いでいけるわけではありません。築40年・50年ほどの住まいが多い実家リノベですが、耐震性の低さや断熱性の悪さといった部分はしっかりとリノベーションで改善しなければならない問題だからです。
リノベーションの専門家として、まずは「安心・安全・快適性」がきちんと実現できるか、そのうえでお客様の想いをしっかり反映できるかを、事前調査段階から検討しております。
「実家リノベ」は、住み継ぐリノベーションに特化した工務店「トット建築」におまかせください!